彼女は、戦士であり母なる存在、女神であり魔術師。彼女だけが“怪物”と化したオーファン＜孤児＞たちの暴力性と殺人本能を静める事が出来る。どこから来て、何のために戦うのか？本当の正体を誰もしらない、謎に包まれた気高き天使のような先導者“ジェシカ”。大ヒットゲーム『メタルギアソリッドV』に登場する女狙撃手“クワイエット“からも着想を得たという。映画に登場する幾多のアクション・ヒロインが存在する中、ここに神秘的でまったく新しいタイプのキャラクターが誕生した。

親に見捨てられ家族の愛情も知らず育ち、略奪や殺人を繰り返し社会不適合者となった哀しき孤児たち。彼らを抹殺すべく殺戮ドローンを操る特殊“処刑”部隊。両者の果てなき戦いを描きつつ、既存の社会に適合しない存在を徹底的に排除していくという、近未来管理社会の闇と恐ろしさを創り出している。

初の長編映画となったキャロリーヌ・ポギ＆ジョナタン・ヴィネル監督。同じ共同監督作品「私たちに散弾銃が残されているかぎりは」は、2014年ベルリン映画祭短編部門金熊賞を受賞し、その後も世界各国の映画祭で高い評価を得る。2017年カンヌ国際映画祭批評家週間に出品された短編映画集「ウルトラ・レーヴ」の一篇「アフター・スクール・ナイフ・ファイト」もこのコンビでメガホンをとっており、今後の活躍が注目される新鋭タッグだ。