今夏、単館ながら公開前より注目を集め、シネマトゥデイの注目作ランキングでは『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』を凌いで全夏休みタイトルの中で堂々1位を獲得、公開初日より満員が続いた話題作!公開中に監督の堀禎一が急逝、最後の天才監督と話題となっていただけにファンの悲しみをさそった。公開最終日は、補助席、立ち見でも観客が入りきれないほどの大ヒットとなり、映画ファンにとっては伝説の興業となった。監督の堀は、ピンク映画でデビュー、ライトノベルやコミック原作の青春映画で高く評価されたのち、ドキュメンタリー作品を連作するなど、ジャンルを横断した活動を展開、本作は堀禎一6年ぶりの原点に回帰した官能と禁忌の物語。ひんやりと清冽な夏の風の吹くなか、それぞれの手で運命を選ぼうとする女性たちの姿が描かれる。
家族、血縁、地域に根差したきわめて土着的な人間関係に着目した作劇は、それらが決してなくなったわけではなく、今も現代の日本で孤独を抱え、愛を求め、惑い、迷い、揺れ動く人びとに普遍の出来事であることを浮かび上がらせる。ヒロインの直美役に舞台、映像で活躍する西山真来。『乃梨子の場合』(’15)につづく映画主演作で、リアルな女性の息吹を表現している。共演は舞台で活躍する鎌田英幸、『怒り』(’16)『まんが島』(’17)の個性派・松浦祐也。ほかに『ブルーレイン大阪』(’83)の志水季里子、『つぐない ゴールデン街の女』(’14)の速水今日子、『貌斬り』(’16)の和田みさ、『ローリング』(’15)の川瀬陽太、『濡れた欲情 特出し21人』(’74)の外波山文明、ビノシュ、櫻井拓也、小林節彦、下元史朗ら個性派俳優が脇を固めている。 |