互いに家族がありながら、ラブホテルで不倫を繰り返す絵里子(森下悠里)と亮(尾関伸嗣)。しかし、情事を繰り返すうちに、ふたりの間にある違和感が・・・。SEXの快楽、ホテルで頼んだサンドウィッチの味、全てがデジャヴのごとく、かつて体験したもののように思える。しだいにその感覚が恐怖に変わっていった彼らは、ホテルを出ようとするが、突如ラビリンスと化した館内から出ることができない!ふたりは永遠に快楽を貪り(むさぼり)続ける運命なのだろうか・・・。 本作最大の見所は、絵里子と亮がラブホテルから脱出するために駆け下りる非常階段。下りても下りても、1階に辿り着かない。何と15分の1シーン1カットの長廻しで撮影され、100階近い長い長い階段を絵里子と亮は実際に駆け下りた。これは、映画史上初の挑戦で、撮り終えた時は、二人共ぐったりと倒れ込んでしまって、しばらく口をきくことも立ち上がることもできず、彼等の後を追いかけた頑強なキャメラマンも、立っているのがやっとという状態だった。この観客すらも、無間地獄に叩きこむ挑発的かつエロティシズムあふれる作品を監督したのは『サル』シリーズ『死霊波』『THE OSHIMA GANG』『モルモット』等でその圧倒的狂気を発揮してきた葉山陽一郎、主演は新世紀のセックス・シンボルとなった『劇場版ふたりエッチ』『人生奪回ゲーム』の森下悠里、共演に『THE OSHIMA GANG』の尾関伸嗣、また、ラブホテルの従業員役に作家の岩井志麻子が参加しているのも興味深い。 |